N”p徒~♪”*2

↑タイトルは文字化けではありません(笑)。単車、クルマ、工具などいろいろ。・・・・そして、ときどき"Perfume"。過去の記事へのコメントも歓迎致します。

ようやく出逢えたギアレス・ラチェット

 まぁ~た、工具買いました(汗)。
それもラチェット・ハンドル・・・・。
ウチにはいったいいくつのラチェット・ハンドルがあるんでしょ(苦笑)??

 今回、購入したのはスエカゲサイレンスラチェット SR38MGです。
これ、数年来、探していたんです。
それをようやく某フリマサイトで発見っ!
で、入手してみました。
1/2sqのSR12MGは現在でも販売されているんですが、
3/8sqのこれはかなり前から絶盤だったんです。

 

 

 ”サイレンス・ラチェット”の名前からもわかるとおり、
これのラチェット機構はギアアレス式なんです。
ギアレスの機構自体はかなり昔からありますが、
国産のラチェットハンドルでは私の知る限り、
これと、(今は無き)NKC/リベラルラチェットだけだと思います。
ギアレス機構は故障しやすいから実用化しないんかなぁ(製造会社も本締め非推奨)?
PBスイスツールズのギアレス式ドライヴァー ツイスターも、
故障が相次いだとかで絶盤になったけど・・・(壊れずにウチにあります)。

 写真だと”L”の鋳出し文字が見えますが、
これって左廻し専用なん??

 

 

 んな訳はありません(笑)。
回転方向を変えるときは、
sq部を反対側に押し込んでやるのです。

 

 

 するってぇ~と逆回転になります。
苦肉の策のこの機構ですが、
その特性上、超絶狭い場所で使うこともあろうかと思いますが、
ラチェット機構が行き切って、
柄の端部が障害物に干渉したときに嵌まってしまい
回収できなくなりそうでコワイです・・・。
まぁ、そういうことはそうそう無いですが、
以前、一度だけその状況に出くわしたことがあったので・・・・(後述)。

 

 

 柄は磨き仕上げ。
私はこの仕様が一番好みです。
前部、端部それぞれに刻まれた二本の溝が、
柄を握ったときに指と掌に掛かって良い感じ。
表面処理のサテン鍍金も上品で素敵です。

 

 

 実は短い仕様のSR38SGはかぁなぁ~り前から所有していました。
で、以前、自作の機器の組み立ての際にこれの有難さを痛感!
それは、目視も出来ず、
柄が殆ど振れない奥まった場所のボルトの締め付けでした(仕事で)。
腕が擦り傷だらけになってしまいましたっけ・・・・。
それで、この工具に改めて惚れ込み、
長柄仕様を入手しようと思ったんですが、
その時はすでに製廃にぃ・・・・。
で、ようやく巡り会えました!

 SR38MGSR38SGは駆動部分を共通としています。
しかし、回転方向の表示がSR38MGが鋳出しで、
SR38SGがレーザー印字です。
なんで共通化しないんでしょうか??

 

 

 では、工具界の雄、
KTC/ネプロスNBR3UN(恐らく最初期型)と比較してみましょう。

 

 

 頭部の幅の差は1.3mm。
意外やそれほど差がありません。
NBR3UNは柄方向に頭が広いので大きく見えるのでしょう。

 

 

 厚みは3.8mm差で圧倒的に SR38MGが薄いです。
全長は、
     SR38MG=185mm
     NBR3UN=178mm
と、SR38MGの方が7mm長いですが、
重量はNBR3UNが60gも重くなっています。
     SR38MG=250g
     NBR3UN=310g

 実は、私、ネプロスのラチェット・ハンドルが好みではありません・・・。
それは空転の感触が緻密な感じがしないからです。
この方式としては(空転の)軽さはまぁまぁですが、
がちゃがちゃいって好みではありません(所有している36歯仕様)。
90歯の仕様もかなり過酷な環境で頻繁に使用しましたが、
力を掛けはじめにギアが掛かり損う感触(実際には滑らない)が頻繁に感じられ、
好きにはなれませんでした。
重量に関しても柄を中空として軽量化していますが、
重みがかなり感じられ、
ここも良い印象は抱きませんでした。
手に持ったときの重量の均衡はとても良く感じますが、
如何せん重いです。

 序でに、もう一点(苦笑)。
柄の部分のゴム環。
これも、どぉ~なんでしょ??
使っていて機能性は感じられませんし、
経年劣化で切れてしまいます・・・・。
役に立っているのならばそれも許せるのですがぁ・・・・。
唯一、役立ちそうな場面は、
複数人で工具が混ざって使用したとき、
色分け(数色有)しておけば所有者が判明しやすいことぐらいかなぁ?
私はそぉ~ゆぅ~使用状況にはないので不必要です。
あとは、意匠の差別化くらいでしょか??

 ネプロスラチェット・ハンドルは、
もうすぐ新型が出るらしいです。
それは”小顔化”されているようで、
軽量化が期待されますが90歯のものと比べてであって、
ウチの最初期のものと比べるとあまり小さくなっていないような・・・。
実物を採寸していないので見た目ですが・・・・。

 一方、スエカゲSR38MGは特に軽いって感じではありませんが、
手に持ったときの重量の均衡が良く、
頭も小さくって振り回し易い印象。
何よりギアレス機構が素晴らしい。
他社では多ギア化で振り幅の小ささの覇権争いが顕著ですが、
スエカゲ/SR38MGはギアレスなので、
1°未満から柄が振れます!
空転トルクも超絶軽くって、
ちょっと抵抗のあるベアリングを廻している感覚・・・(喜)。

 ただ、耐久性は未知数ですがね・・・。

 

 

  SR38SGネプロスNBRC3SUNと比較してみました。

 

 

 幅の差は4.7mmとかなりの差です。
NBRC3SUNは1/4sq用の筐体に3/8sqの駆動部を組み込んだ仕様なので、
小ささが際立ちます。

 

 

 厚さも肉薄しています。

 NBRC3SUNのものも以前の仕様で36歯です。
が、空転の感触はNBR3UNとは違って秀逸です。
美しい鍍金で覆われた美しい見た目と相まって、
気品すら感じられます。
思わず手に取って、
いつまでも触っていたくなる工具ですね。
残念ながらSR38SGは、
その艶っぽさを持ち合わせてはおりません(お値段が違うけど)。
また、使い勝手については不明。
全く使ったことが無いので・・・・(汗)。

 

 

 工具ってやっぱり面白いです。
同じ目的のために造られているのに、
見た目も、使用感も、思想さえも各社での違いが如実に感じられます。
たったひとつの工具をとってみても、
正に英知の粋を集めた、
工業技術の結晶の一雫ともいえるものですねぇ。

 

 なんだか、多くの部分をネプロスの批判に費やした感がありますが(汗)、
KTCはとても好きな会社です。
私の主力ラチェット・レンチは同社の旧型ですし、
ネプロスも幾つか所有していて、
その孤高の理念は工具たちからひしひしと感じとってています。
まぁ、愛故の苦言ですね(笑)。