N”p徒~♪”*2

↑タイトルは文字化けではありません(笑)。単車、クルマ、工具などいろいろ。・・・・そして、ときどき"Perfume"。過去の記事へのコメントも歓迎致します。

チタン製!

 まぁた工具を入手してしまいました・・・(汗)。
しっかし・・・・、
今回、入手した工具が包まれた、
てろてろで、ビニールの質感丸出しで、
廉っぽくひかるロールバッグを初めて見たときは、
あまりのお粗末さに驚いてしまいました・・・(臭ひもヘンだし)。
で、その中実はというとぉ・・・。

 

 

 トネチタンツールコンビネーションスパナセットTMS700です。
このレンチ・セットの定価は驚きの¥83,580

           (税込¥91,938)!!!!!
なので、その低廉なバッグの仕上がりに余計に驚いたわけです(苦笑)。

 新品税込み9万超えですが、
実勢価格はもっとお廉いです。
新品で4~8万円台(幅広っ!)くらい。
最多価格帯は7万弱くらいでしょうか。
中古品もぼちぼち見つけられて、
おおよそ3万中頃の価格が多いようです。
私が入手したのは勿論中古品(笑)。
しかも、かなりお値打ちなお値段でした♪
かなり前から存在は知っていましたが、
実物を一度も見たことがありませんでした。
今回、機会があったので入手しちゃいました。

 

 

         

 柄には誇らしげに”TITAN TOOL”の文字が.
チタンというと鈍く、光りを放たない茶色ってな印象がありますが、
このレンチはSUS(同社はSUS製レンチも製造)のように輝いています。
実はよく見る茶色い色は酸化皮膜の色のようで、
チタン本来の色は写真のような銀色のようです。
ローム鍍金とは明らかに違う、
素材そのものの質感は独特で印象的です。

 

 

 入組は対辺8、10、12、13、14、17、19mmの7本で、
日本車を弄るのに最適なものです。

 

 

 工具表面はとてもきれいです。
よく観察してみると、
鍛造(鋳造?)後に磨きを掛けているようです。
めがね部の際、座繰り部分は梨地が残っています。

 

 

 現在の目で見ると、
オープンエンド側の形状などに些か古さを感じさせる外観であります。
それもその筈、最初に発売されたのは1993年らしいです。
その後に改変が加えられてはいるようですが、
それは字体や製番の部分で、
基本は発売時のままのようです。

 

 

 現在のスパナ部はやり型が主流ですが、
まる型よりの形状です。
これも古く見える要因だと思います。
スパナ部の二(三)面の内側は、
機械加工した形跡が垣間見えますが、
細かいざらざらな質感で、
例えるならサンドブラストを掛けたかのような質感です。

 

 

 ボックス部のボルト/ナットを受ける部分は勿論、面接触
こちらは特に外径が大きくは感じません。

 

 

 柄は角張っていて側面の巾が広めです(6.3mm/対辺19mm)。
適正に面は取ってあるので高トルクが必要なときも
手が痛く成りにくそうです。

 

 

 チタンの利点で先ず思い当たるのが強度が高く軽量なこと。
鋼の7.85に対してチタンは僅か4.54しかありません。
一般的な工具はニッケルクロムヴァナジウム等の合金製で、
同じくチタンも純チタンで使われることは無く、
β合金かα-β合金で使われることが多いため、
単純にこの比重差がそのまま利点となり得ないとは思われますが、
軽量なことは間違いありません。

 そこで、一般的な工具鋼(クロームヴァナジウム)を使用しながらも、
軽量化に挑戦したアサヒツールライツールと比較してみました。

 写真の19mmの全長は、
チタンツール=230.0mm
ライツール=234.0mm
です。
長さはほぼ同じです。

 

 

 ライツール(右)は見てのとおり執念を感じるほどの軽量化を施し、
肉抜きの度合いが凄まじいです。
それは柄の部分だけではなくオープンエンド部にまで及びます。
形状もチタンツールとは違って今風のやり型です。

 写真の19mmの厚みと巾は、
チタンツール=42.0/8.6mm
ライツール=39.1/7.1mm
です。

 因みの柄の厚みと巾は、
チタンツール=6.4/16.2mm
ライツール=6.0/15.0mm
でした。

 

 

 ボックス部の外径/厚みは、
チタンツール=29.0/11.1mm
ライツール=27.9/11.5mm
です。

 ボックス部の厚さ以外、どの数値を見てもライツールの方が下回っています。
しかし、見た目が華奢で、
測定値もちいさい仕上がりではありますが、
使用してみた感触はとってもしっかりしているのです。
これはJIS取得も納得です(チタンツールもJIS取得)。

 対するチタンツールは、
力を掛けた際に横方向へ僅かな歪みを感じるのです(13mm試用)。
これは経験したことが無い感覚でした。
チタンというと、
耐蝕性に優れ、軽量で、
強度も高い印象があります。
がぁ、強度は確かに高いんですが、
剛性は低いのです。
それはチタンの素材の性質で、
ヤング率(縦弾性係数/歪み難さを表わす数値)が
低いことで起こる事象と一致しています。

 

 

 チタンの利点である軽量な部分も比較してみました。
初めてチタンツールを手にしたとき、
軽量ではありますが、
驚くほどではないと感じました。
これだとライツールの方が軽いのでは?
なんなら愛用のスタビレー(No.13No.15)とあまり変わらないのでは??と、
思ってしまったのです。
で、比較したのが上記の表です。
確かに7本合計ではチタンツールが最軽量です。
しかし、それにも勝るとも劣らないライツールの健闘が目を惹きます。

 なんだかライツール賞賛の記事の様相を呈してきましたが(苦笑)。
早くからチタンツールを現実の物としたトネも素晴らしいです。
加工が難しい難切材であるチタン(合金)で工具を造り上げることが、
そもそも凄いことです(私が知る限りチタン製レンチ製造元は他に二社だけ)。
工具に要求される要件は強度だけではありません。
表面処理が要らず腐蝕に強い部分も重要な要素です。
それに、”チタン製工具”ってだけで
わくわくしている自分が居ます(大笑)。

 

 

 最後に大健闘したライツールのお値段は、
10, 12, 13, 14, 17, 19mmのセット、プラス8mmの合計が、
¥8,400+¥1,070の合計で¥9,470(税込み)!!!
チタンツールのおおよそ1/10・・・・・(汗)。