亡き父の工具置き場からこんなものを見付けました。
ホースカッター(HC)です。
前から欲しかったんですよねぇ。
ホースはカッター等でも簡単に切断出来ますが、
穴方向に対して垂直にきれいに切るのが難しいんですよねぇ。
これがあれば美しく仕上がります♪
父は自身で単車、クルマなどを整備し、
大工仕事も器用に熟すひとでした。
ボール盤、溶接機、高速切断機、グラインダーなどの電動工具も所有し、
私が物心つくころには、
それらの道工具に触れられる環境がありました。
これらは全て仕事ではなく趣味(とお金の節約?)のためのものでした。
それらは、その目的を完遂するのが第一義で、
見栄えや、所有欲を満たすための道工具、
所謂、ブランド物は殆ど所有していませんでした。
なので、ホームセンターで入手した無印品が殆どであります。
私が工具好きなのは、
こんな父の影響が大きいのかも知れませんねぇ。
発掘したHCですが、
各部に砂や埃が入り込み、
じゃりじゃりとした使用感であります・・・・。
なので、分解/清掃の後に給脂してやります。
このHCは、
一旦、刃を大きく開き、
何度か柄を開閉すると、
写真の爪が鋸状の凸部に掛け替えられ・・・、
ラチェット機構よろしく刃が閉じていきます。
なかなかに考えられた構造です。
分解と組み立ては難しくはないのですが、
私が組み上げたらば上手い具合に機能しなくなりました・・・(汗)。
私は各稼働部が引っ掛かかり無く、
円転自在の操作感を目指して組み上げたのですが、
それではダメだったようで、
写真でいちばん上のナットだけはきつ目に締めたらば、
正常に機能するようになりました。
これらの軸部分のナットは全て対辺9mmのものが使用されていました。
珍しい大きさですねぇ。
で、早速試してみます。
試し切りしたのは[TL1000S]のあまっていた燃料用ホースです。
もっと太いホースがよかったのですが、
ウチにはこれしかありませんでした・・・。
がぁ、上手く切れないことがあります・・・・。
で、何度か試してみて骨(こつ)が分かりました。
それは、ゆっくりと切ってはいけないのです。
すぱっと、一気に断ち切るようにすると良い感じです。
ニッパも、ゆっくりと切らずに一気に切るものですが、
そんな感じ(?)でやってみると、
美しく垂直な切断面が表れます。
刃をよく見ると、
僅かではありますがバリが出た部分があります。
それを砥石で均してやりました。
使ったのは[京セラ]製の[セラシャープナーK13]。
アルミナセラミック(AL2O3)で出来た研ぎ部を持っている砥石です。
もう、ウチに来てから二十年以上経つでしょうか?
砥石は写真のような形状をしていて、
多目的に使用することが出来ます。
これで、より切れ味が増しました。
柄の部分に”MCC JAPAN”の鋳出し文字があります。
これからちょっと調べてみました。
[MCC]は三重県津市にある[株式会社 松阪鉄工所]を表し、
ここは、1916年創業の老舗のようです。
業務内容を見てみると、
設備関係の設営に必要な配管関係の工具の製造と、
工作機械周辺機器の設計/製作が主な仕事のようです。
どぉ~りで、私が知らない訳です。
『創造 実践 品格』を社訓としていて、
これだけ見ても良い工具を造っていそうです。
ウチのは[VC-42]の品番があるので、
現行の後継品を見てみました。
するってぇ~と、
それに該当するのは[VC-0342(三代目?)]のようであります。
で、そこに記されている用途はってぇ~と・・・・。
『エンビカッタ』とあります・・・・(汗)。
この工具はホースカッターではなく、
塩ビ管、ポリエチレン管、ポリブテン管を
切断するためのモノだったのです・・・(汗)。
どぉ~りで、柄がごっついと思いました・・・・(苦笑)。
そぉ~だよなぁ~、
ウチの父がホース切るのに専用工具なんて買わないで、
カッターで切るよなぁ(大笑)。
私は将来、これで塩ビ管は切ることは無いと思います。
目的外使用ではありますが、
今後もホースの切断で活躍すると思います。
もちょっと太いものを切ってみたいですねぇ。